2010年10月30日土曜日

20年前の鬼怒川某大型旅館のカッコイイ営業担当

JTBに入社して2年目に、鬼怒川の某大型温泉旅館で、福祉関係の研修会を実施しました。
今からもう20年近く前のことです。
夜、約600名の参加者が一同に宴会をする光景は壮大なものでした。
ただ、旅館のキャパは完全に超えており、「そこを何とか」と我々の決まり文句。

宴もたけなわの頃、旅館の営業担当者が、厨房に入って、スーツの上着を脱いで、ネクタイ外し、腕まくりしながら、汗を垂らし、仲居さんたちと混じって、一生懸命に料理や飲料を運んでいるのを目撃しました。
営業サイドでキャパを超える人数を受けてきた(正確にはJTBから無理矢理依頼された)せめてもの償いを、彼は無言で行っていたのです。
正直、カッコイイって思いました。

営業、手配、添乗員などと完全に分業をしている我々と違って、旅館で働く方は何でもやるんだって
その時初めて知りました。
そしてある意味「尊敬の念」が湧いた一方で、自身はスーツ姿で、宴会の進行を管理している、じっと立っているだけの、正にJ(ジット)T(立っている)B(バカ)のJTB社員の横柄さ、傲慢さを感じたものです。

時には厨房に入ったり、フロントに立ったり、送迎バスを運転するなど、旅館営業担当者って
1人何役もこなしているんですよね。
そんな多忙な彼らをつかまえて、我々旅行会社の人間は「レスはが遅い」だの、「見積もりが甘い」だの、小言を言ってきたんですね。

WEB時代の今、大手旅行会社の大きなツケが回ってきたような気がします。
ジット立っているだけでは、もう誰も振り向いてくれないですよね。

オフィスたはらhttp://officetahara.com/