新入社員時代、仕事がなくて、片っ端から電話を取りまくっていました。
電話を取ると、顧客の名前を憶えたり、先輩がどんな仕事をしているかを理解したりといろいろと
メリットはありましたが、一番のメリットは新規の飛び込み客を獲得できることでした。
法人営業部隊の我々のところに電話をかけてくるお客様は98%程度が既存客です。
なので、その電話の大半は先輩宛にかかってきます。
そのような電話に対しては用件を伺って先輩に取り次ぐか、先輩が不在の場合は自分で対応できるもの
以外は折り返しの電話をする旨を伝えます。
ただ残りの2%は電話帳などで見て、旅行の相談が出来ると思って新規で飛び込んでくる
お客様です。
このようなお客様は当然、担当がついていませんので電話を取った者が主担当となれるのです。
電話を片っ端から取ることで、私はそのような飛び込み客を何件かゲットすることが出来ました。
周囲からは「あのお客様はたまたま電話で取ったからラッキーだったね。」とあたかも努力もせずに
獲得できたように言われていましたが
内心は「だったら一番最初に電話に出てみろよ」とムッとしていたものです。
周囲は「偶然」という見方をしていましたが、私からすれば「必然」だったのです。
「偶然の必然性」という言葉がありますが、このケースも正にそれに当たります。
たまたま起こったことに見えて、実は起こるべくして起こっている事って世の中にはよくあると思います。
特に営業の世界ではありうることです。
何気ない会話から、大きなビジネスの話に発展したというエピソードは良く耳にします。
「アンテナを高くしろ」と言われることも同様です。
新入社員の時の「電話番」から教わったこと。
世の中には「偶然」はない、全ては必然性の中から生まれている。
だからどんな些細な仕事も一生懸命やる。
そうすれば、どこかでつながる。
新人研修で、受講者から
「一日中コピーをさせられる。」
「お茶当番が苦痛だ。」
等という発言があったら、私のエピソードを話しています。