2012年6月6日水曜日

着地型観光商品開発で陥るワナとは?


地域の活性化の救世主として「着地型観光」への注目が高まっています。
弊社にも着地型観光商品開発関連のご相談やアドバイスを求められる機会が増えてきました。
今年度よりスタートする厚生労働省管轄の「実践型・地域雇用創造事業」においても「着地型観光」
商品開発事業に期待が集まっています。

今日は、いくつかの事例を通じて、陥りがちなワナとも言える失敗パターンをまとめてみます。

商品開発が目的となっている・・・着地型観光商品は地域活性化のための手段であり、その開発自体が目的ではありません。開発ありきで動いてしまうと、「儲かる、儲からない」に意識が行き過ぎ
本来の目的を見落としてしまう危険があります。

人材の育成が追い付いていない・・・商品は作ったものの、誰が売るのか?「観光プラットフォーム構想」が進んでおりますが、その中心的存在である「観光人材の育成」が急務です。
地域の観光産業に従事されている方が主体的に売るための動機づけ、売るための知識、スキル、スタンスをインプットする必要があります。

売れる仕組みが確立されていない・・・売る商品は出来た、売る人材も育成した、でも売る仕組みがないと売れません。マーケティングの4PでいうところのPlaceあるいはPromotionといった観点で、売るための仕組みつくりを構築しなくてはなりません。具体的には、観光産業のみならず、農工商との連携を目指した販売チャネルの確立、広域地域との連携を視野に入れた販売戦略の立案など、広い視野に立った考え方が求められます。


以上のように、着地型観光事業は、地域にとって大きな魅力ある取り組みである一方で
その取り組み方如何では、多くのコストをかけた割にはリターンが少ないといった危険性も
はらんでいます。

弊社では、着地型観光の「商品をつくる」、「人材をつくる」、「売れる仕組みをつくる」
という「3つのつくる」にこだわって、地域の観光事業に関わる皆様の支援を続けていきたいと
考えています。

株式会社オフィスたはら 代表取締役 田原洋樹