先週1週間、都内で求職者向けの研修をしていました。
厚生労働省「緊急人材育成支援事業」基礎演習コースの一つで、今回は「旅行」がテーマです。
本コースは、求職中の方を対象とした、いわゆる職業訓練で、就職に必要とされるさまざまな知識やビジネススキルを習得いただくことを目的としたものです。
中には生活給付金が支給されるケースもあって、全国で多数の求職者が受講されています。
私は最近、地方での研修が多くなっていますが、この基礎演習コースに関しては、機会があればなるべく引き受けて来ました。
正直言って、条件面では他にもっと良い仕事がありますが、この講座は何か特別な印象があります。
時間の拘束も長いしキツイんですが、何か好きなんですね。
老若男女、まさにいろんな方が受講されていて、人生の縮図のようなクラスで、受講者の皆さんからいろんなことを学ばせてもらってます。(講師である私が学ばせてもらっているとは変ですが・・・)
いろんな経緯があって、クラスにいらっしゃいます。
ただ「求職中である」という事情は皆共通です。(一部の方はそうでない場合もありますが・・・)
中には私の父くらいの年代の方もいらっしゃいます。定年退職後の第2の人生をスタートさせるべく、
若い方たちと一緒に学ぶ姿には頭が下がります。
また、夜間に仕事をされていて、ほとんど睡眠を取らずに昼間の講義を居眠りひとつせず熱心に受講してくれる方。前職で体調を崩し、退職を余儀なくされて復活を目指している方、長年専業主婦でいらしたが、不況でご主人の給料だけではやって行けず、新たに仕事を見つけようとしている方、大学を卒業したが、就職先が見つからず、就職浪人をしつつ新たな資格を取ろうと考えている方、事情があってご主人と離婚をしたため、手に職をつけようと小さなお子さんを保育所に預けながら通う方などなど。
さまざまな事情を抱え、それでも黙々と講座に通い続ける姿を見ると、微力ながら少しでも彼らの今後の人生に役に立つようなことを持ち帰って欲しいという気になります。
今までセミナー講師として多くの受講者と出会ってきました。大企業に勤める多くのエリート集団とも
研修現場で会ってきました。
でも私はこの職業訓練に通う受講者が一番好きですね。
(個性派ぞろいで、ちょっとしたことでもクレームを出してくるやんちゃな受講者が多く、他の講座より
神経はかなり使いますが。)
彼らの生き様に共感するんですね。
人は挫折をして、這い上がろうとする瞬間、次の半歩を踏み出す瞬間に大きく成長するような気がします。
さまざまな事情を抱え、彼らは今その半歩を踏み出そうとしているんですね。
その瞬間に立会える私は幸せものだなあとつくづく思うのです。
今年度は来月にあと一つ、講座が残っています。
新しい出会いに感謝です!